M39マウント1眼レフカメラZENIT-SおよびレンズIndustar-50


Zenit-S

 Zenit-Sは初代Zenitにシンクロ接点を付けたゼニットマウントの1眼レフカメラで、1955年から61年にかけて23万台あまり製造された。ソ連では最初に大量生産された1眼レフカメラである。Zenit-Sは当時製造されていたレンジファインダーカメラZorkiのマウント部を前に出し、ミラーおよび1眼レフ用ファインダーを付けたものであるため、1眼レフとしては小ぶりである。
 付属レンズは最初のころはIndustar-22であったが多くはIndustar-50である。

 なお、Sはシンクロの意味でキリル文字ではCと表記するので、このカメラは Zenit-C と書かれることもある。(むしろZenit-Cの方が一般的かもしれない。)


M39マウント(ゼニットマウント)

 M39マウントとは、ゼニット独特のスクリューマウントで、ゼニットマウントとも呼ばれます。これはライカLマウントと同じ39mmのねじ径で、フランジバックがM42とほぼ同じ45.3mm程度(M42マウントは45.46mm)のマウントです。このため,ライカLマウントレンズはそのまま付けることが出来ても、すべてマクロ専用レンズになってしまいます。これはこれで面白いのですが。
 また、M39マウントレンズをM42マウントのボディーに付けるためのマウントアダプターがありますが、厳密には微妙に無限大が出なくなります。なお、M39とM42マウントは見たところ似ていますので、購入の際、間違えないよう注意が必要です。
 M39マウントは1950年代初め頃のZenitに始まり、1962年〜1970年にかけて製造されたZenit3Mをへて、1970年代前半に製造されたZenit−E,Zenit−Bの一部まで製造されました。現在は製造されていません。
 

ファインダーミラー

 たいていの1眼レフカメラは、シャッターを切った瞬間にファインダーがブラックアウトしてしまいます。Zenit3Mは、シャッターを切ったときだけではなく、そのあとも、フィルムを巻き上げるまで、ファインダーがブラックアウトしたままになります。(クイックリターンミラーはZenit-E、Zenit-B以降です。)
 このカメラをはじめて使ったときはなんとも使いにくく感じました。でも、考えてみると、どのカメラでも、すでにシャッターを切ってしまったからにはフィルムを巻き上げるまでは再びシャッターを切ることは出来ません。どうせシャッターを切れないのならば、そのとき被写体がどうなっていようが、撮影者には関係ないはずです。Zenit3Mを使うと「撮れもしないときの被写体の様子を気にしても仕方が無いよ。自分に出来ることをしなさい。自分に出来ることは何かを考えなさい。」と、カメラに教えられているような気がしてきます。ロシアカメラはなかなか哲学的です。



説明
  マウント:M39マウント(ゼニットマウント)
  シャッター:メカニカルタイプ横走布幕フォーカルプレーンシャッター(だと思う)
  シャッター速度:B,1/25,1/50,1/100,1/250,1/500
  シャッターダイヤル:1軸回転式
  ファインダー:アイレベルファインダー
  ピント合わせ:すりガラス面よる実像合致方式
  ファインダー倍率:約1.0倍以上
   最近の1眼レフファインダーを見慣れているとファインダー像が大きく大変見やすく感じられる。
  露出計:なし
  フィルム装填:底板着脱式
  フィルムカウンター:順算式(フィルム装填時0に設定することが必要)
  シンクロ接点:X-接点(1/25で同調)、タイムラグ調整機能あり
  セルフタイマー:なし
  付属レンズ:Industar-50(5cm F3.5) 
  サイズ:135×91×52mm(ボディーのみ)
  サイズ:135×91×73mm(付属レンズ付)
  質量:0.53kg(付属レンズなし)
  質量:0.59kg(付属レンズ付)
  カメラ製造番号の頭2文字:57
  製造年:製造番号から57年と推定
  製造:KMZ(クラスノゴルスク機械工場)

特記1:クイックリターンミラーではないので、シッターを切るとファインダーが暗いままになる。フィルム巻上げ時にファインダーが見えるようになる。(こういう仕様です。ファインダーが暗いままでも故障ではありません。)

特記2:アクセサリーシューは無い。(アクセサリーシューがついたのはZenit-E以降。)



付属品

  中古を購入したのでオリジナルの付属品は不明。
  革のケースが付属。




付属レンズ Industar-50(5cm F3.5) の説明

  名称:ИНДУСТАР-50
  焦点距離 :50mm
  F値:F3.5
  絞り:F3.5, 4.0. 5.6, 8.0, 11.0, 16.0(クリックはどこにも無い) 
  絞り羽根数:7枚
  絞り形式:プリセット
  マウント:Lマウント
  レンズ構成:3群4枚(テッサ-タイプ) 
  最短撮影距離:0.65m
  フィルター:33mmくらい(ねじ込み式)
  サイズ:直径50mm 長さ27mm 重さ65g(実測値)
  カメラ製造番号の頭2文字:57
  製造年:製造番号から57年と推定
  製造:KMZ(クラスノゴルスク機械工場)

  ピント目盛表記はmのみです。
  絞りリングや距離リングの回転に伴いフィールター枠が回転します。


撮影例1  お地蔵さんを撮りました(この構図、好きなんです。)


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